■射抜く眼光。
力士ゴキを仕留めた風邪村。
ナレーション:
——彼らは言う
「よく見て狙う…………のではない」と
「中(あた)る時というのは」
「放つ前に中(あた)っている」と——
次々に上空のゴキを仕留める風邪村。
ついにゴキたちが撤退を始める。
ゴキの動きを観察していたヘリ『……チッ………』
『一度 内陸までくい込んだゴキブリ共が』
『また散っていく……』
『紀伊半島(ここ)に拠点を築くのは困難と判断したか…?』
エビちゃん「………」
(イッキちゃん……)
(良かった…)
(また……)
(生きて戻ってくれて——…)
風邪村「……エビちゃんさ…やっぱり……」
「綺麗だよね…」
エビ「……」
「……はい?」
風邪村「所作がさ……」
エビ「えっ あ………ああ…所作がね……」
(イッキちゃんに言われたくないけど…)
風邪村「可憐さを演出していない」
「…なのに可憐だ」
「人工的な女性性を付加していない」
「かと言って粗野でもない ただ『清潔』」
「押しつけではない本人の人格から来る『淑やかさ』がある」
エビ「…あっ…りが とう…?」
「な……急に何を言いたいのか分からないけど」
風邪村「……うん」
「いいんだ」
「護れて良かった」
【数ヶ月前】
『南極 中国国立調査隊
第八拠点『零度(リンドウ)』跡地——…』
サプリを手にするゴキ。
『D.M.C 愛されママの鉄分サプリ(Fe)
〜天然由来で赤ちゃんも安心〜』
また、外国製の鉄サプリを手にするゴキも
「………」
American Major IRONBRAND
「じょうじ!」
「じょうじ」
「じょうじ」
場面はサムライソードへ。
サムライソードの糸をことごとく斬り落とす刀ゴキ。
刀ゴキの腕は鉄の鱗のようなもので覆われていた。
ナレーyソン:
鱗船霊貝(ウロコフネタマガイ)
インド洋の海底火山付近に生息する
『スケーリーフット』の通称で良く知られる巻貝である
2001年に初めて発見され
足の部分が金属(硫化鉄)の鱗で覆われている事が話題を呼んだ
海底火山に含まれる鉄分と硫黄を取り込んでいるのは明らかだったが
肝心の“どうやって体内で合成しているのか”は謎なのであった
続く2009年 日本の海底調査艦『しんかい6500』が新たな発見をする
『白いスケーリーフット』である———
後に調べたところこの『白』と『黒』は分類上 全くの同種
白い方は硫化鉄を身に着けていないだけ……
にもかかわらず
鱗の強度は“白い方が高かった”のである!!
キリンの首の長さはサバンナの木の高さとほぼ同じである
葉を食べるために進化なのだから必然ともいえる
もし キリンに過剰な栄養を与えても 首が木の高さを大きく超えはしないだろう
———しかし!!
『黒いスケーリーフット』が金属を身に纏うメカニズムも不明なら——
『鉄を纏って何がしたかったのか』!?
また『鉄がもっと十二分にあれば白より硬くなれた』という進化の途中だったのか!?
いずれも不明なままなのである
追い詰められていくサムライソード。
子供「……ああ…」
「もう…あの人も防戦一方だ……」
大人「ヤバいよ……これじゃ避難バスがここに来る前に…」
サムライソードの脳裏に、忌まわしい記憶が蘇る。
【回想】
ナイフをつきつけられるサムライソード。
「Pusho! Përndryshe do do të gjakoset edhe tepër...(騒ぐともっと深く切るぞ…)」
「安い宿はセキュリティもそれなりだな?」
「だが安心していい」
「キミがこれから住む(いく)所はばっちりガッチリ“鍵がついてる”…ところで」
「妹も一緒に泊まっているはずだが?」
【回想終わり】
サムライ「ウオォオオオオオオぉ!!!」
「殺してあるァァアアアアア」
力士ゴキを仕留めた風邪村。
ナレーション:
——彼らは言う
「よく見て狙う…………のではない」と
「中(あた)る時というのは」
「放つ前に中(あた)っている」と——
次々に上空のゴキを仕留める風邪村。
ついにゴキたちが撤退を始める。
ゴキの動きを観察していたヘリ『……チッ………』
『一度 内陸までくい込んだゴキブリ共が』
『また散っていく……』
『紀伊半島(ここ)に拠点を築くのは困難と判断したか…?』
エビちゃん「………」
(イッキちゃん……)
(良かった…)
(また……)
(生きて戻ってくれて——…)
風邪村「……エビちゃんさ…やっぱり……」
「綺麗だよね…」
エビ「……」
「……はい?」
風邪村「所作がさ……」
エビ「えっ あ………ああ…所作がね……」
(イッキちゃんに言われたくないけど…)
風邪村「可憐さを演出していない」
「…なのに可憐だ」
「人工的な女性性を付加していない」
「かと言って粗野でもない ただ『清潔』」
「押しつけではない本人の人格から来る『淑やかさ』がある」
エビ「…あっ…りが とう…?」
「な……急に何を言いたいのか分からないけど」
風邪村「……うん」
「いいんだ」
「護れて良かった」
【数ヶ月前】
『南極 中国国立調査隊
第八拠点『零度(リンドウ)』跡地——…』
サプリを手にするゴキ。
『D.M.C 愛されママの鉄分サプリ(Fe)
〜天然由来で赤ちゃんも安心〜』
また、外国製の鉄サプリを手にするゴキも
「………」
American Major IRONBRAND
「じょうじ!」
「じょうじ」
「じょうじ」
場面はサムライソードへ。
サムライソードの糸をことごとく斬り落とす刀ゴキ。
刀ゴキの腕は鉄の鱗のようなもので覆われていた。
ナレーyソン:
鱗船霊貝(ウロコフネタマガイ)
インド洋の海底火山付近に生息する
『スケーリーフット』の通称で良く知られる巻貝である
2001年に初めて発見され
足の部分が金属(硫化鉄)の鱗で覆われている事が話題を呼んだ
海底火山に含まれる鉄分と硫黄を取り込んでいるのは明らかだったが
肝心の“どうやって体内で合成しているのか”は謎なのであった
続く2009年 日本の海底調査艦『しんかい6500』が新たな発見をする
『白いスケーリーフット』である———
後に調べたところこの『白』と『黒』は分類上 全くの同種
白い方は硫化鉄を身に着けていないだけ……
にもかかわらず
鱗の強度は“白い方が高かった”のである!!
キリンの首の長さはサバンナの木の高さとほぼ同じである
葉を食べるために進化なのだから必然ともいえる
もし キリンに過剰な栄養を与えても 首が木の高さを大きく超えはしないだろう
———しかし!!
『黒いスケーリーフット』が金属を身に纏うメカニズムも不明なら——
『鉄を纏って何がしたかったのか』!?
また『鉄がもっと十二分にあれば白より硬くなれた』という進化の途中だったのか!?
いずれも不明なままなのである
追い詰められていくサムライソード。
子供「……ああ…」
「もう…あの人も防戦一方だ……」
大人「ヤバいよ……これじゃ避難バスがここに来る前に…」
サムライソードの脳裏に、忌まわしい記憶が蘇る。
【回想】
ナイフをつきつけられるサムライソード。
「Pusho! Përndryshe do do të gjakoset edhe tepër...(騒ぐともっと深く切るぞ…)」
「安い宿はセキュリティもそれなりだな?」
「だが安心していい」
「キミがこれから住む(いく)所はばっちりガッチリ“鍵がついてる”…ところで」
「妹も一緒に泊まっているはずだが?」
【回想終わり】
サムライ「ウオォオオオオオオぉ!!!」
「殺してあるァァアアアアア」